不育症、習慣性流産
一般的に自然流産や死産を3回以上繰り返すと、習慣性流産、不育症といわれます。
ただ、自然妊娠のおよそ15%は流産するというデータがあることから、とても残念で悲しいことですが、落ち込んでばかりではなく、その原因を考えると良いと思います。
病院では多くの場合『原因不明』とされるようですが、中医学(中国漢方)では、必ず原因があると考えていますので、その原因を探すところからスタートして、しっかり対応していきます。
妊娠12週までの早期流産のほとんどに染色体異常がみられる、という報告があります。染色体異常のある受精卵はある一定期間しか発育できないものなので、この場合「赤ちゃんが寿命を全うした」自然の理として受け止め、染色体異常を起こしている原因をなんとかするべきです。
早期流産
心待ちにしていた妊娠、繰り返す流産、は体にも心にも大きな負担をかけます。気持ちを落ち着かせ、自分の体と正面から向き合い、心身ともに整えていきましょう。
気血不足と腎虚
早期流産の場合は、お母さん、お父さん、双方の腎(じん)のチカラが低下していないかどうか、をまず確認します。
生殖を主る(つかさどる)腎(じん)の機能が低下した状態では受精卵を健やかに育む事が難しいと思うからです。
次に、受精卵を育てるには、充分な気(生命エネルギー)と血(栄養素)が必要です。
副証として、オ血(おけつ)、脾気虚(ひききょ)、血熱(けつねつ)、湿熱(しつねつ)があります。
腎を補う食べもの
黒ごま・黒きくらげ・黒豆・山芋・くるみ気血を養う食べもの
人参・なつめ・ゆり根・くこの実・プルーン・くるみ・烏骨鶏・レバー血の流れを良くする食べもの
にんにく・ししとう・玉ねぎ・らっきょう・トマト・ほうれん草・まいわし・サバ・アジ・うなぎ
からだとこころ、すこやか養生法
体を冷やさない
生もの、白糖、冷たいものの飲食は体を内側から冷やしますので控えましょう。節酒、禁煙
お酒と喫煙はなるべくやめましょう。のびのびと動く
過度な運動は逆効果ですが、ヨガやストレッチ、太極拳など、のびのびと動き、気血の流れを良くしましょう。衣服に気を使う
ピンヒール、しめつける服は気血の流れを滞らせてしまいます。また、首元や足元を温めて冷えないよう衣服で調整しましょう。積極的に笑う
腎の機能を低下させない為には、笑うこと、楽しむこと、が大切です。楽しい事や楽しい人を見つけて積極的に笑えるようにしましょう。鏡の前でのスマイル習慣も忘れずに。
腎と気血を補う漢方薬
腎を補う漢方薬を補腎薬(ほじんやく)といい、気を補う漢方薬は補気薬(ほきやく)、血を補う漢方薬は補血薬(ほけつやく)、気の流れを良くする漢方薬は理気薬(りきやく)、血の流れを良くする漢方薬を活血化オ薬(かっけつかおやく)といいます。
代表的な補腎薬には、参馬補腎丸(じんばほじんがん)や至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などがあり、 補気薬には麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)、補中丸(ほちゅうがん)などがあり、補血薬には婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)など、 理気薬には逍遥散など、活血化オ薬(かっけつかおやく)には、冠元顆粒(かんげんかりゅう)や田七人参(でんしちにんじん)などがあります。
それぞれたくさんある種類の中から自分に合った漢方薬やオリエンタルハーブを活用することで、急性の場合は即効果が期待できるものです。
逆に長い間服用しても改善が得られない場合は、証に合っていないということになります。
あなたの体質や症状に合わせた漢方薬をお選び致します。
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