ドライシンドローム
春や秋といった季節の変わり目は、乾燥が気になります。
ドライシンドロームとは・・・
ドライマウス・・・口やのどが渇く
ドライアイ・・・目が渇く
ドライスキン・・・お肌の乾燥が気になる
ドライバジャイナ・・・腟の乾き
本来、粘膜などで潤っている口や目、お肌、膣などが乾燥してしまう乾燥症候群のことをドライシンドロームといいます。
ドライマウス
口やのどが渇き、水分補給しても潤わない
舌がヒリヒリする
口がネバネバする
口臭がある
味がしない、味がわからない
しゃべりづらい
食べものを飲み込みづらい
のどがイガイガする
口の中が渇いていると、唾液が少ないので虫歯になりやすく、口角に炎症をおこしやすくなります。のどもダメージを受けやすく、風邪をひきやすくなります。
口やのどが乾燥する、水分補給しても渇きが消えない、というドライマウスの方は同時に足腰がだるい、お肌が乾燥する、といった症状もあるのではないでしょうか?
口の渇きは胃粘膜が充分に潤っていないこともあらわしています。
ドライアイ
目が渇く、渇きやすい
目を10秒以上開けていられない
目が疲れやすい
目がゴロゴロする
充血しやすい
目がかゆい
目は裸の臓器といわれています。通常は涙で常に保護されていますが、涙がでにくいので目が傷つきやすい状態です。かゆいからといって目をこするのは大変危険です。ちょっと目をこすっただけでもダメージが大きく、繊細な組織を壊してしまう可能性があります。
空気の乾燥、コンタクトレンズ、パソコンやスマホの使い過ぎ、ストレスなどにも起因しますが、目が乾燥する、ドライアイの方で、手足のほてりやイライラしやすいといった症状があれば、体内に熱がこもっていて水を蒸発させているケースが多いです。
漢方には『飲む目薬』と呼ばれている生薬もあり、内側から解決していくことが出来ます。
ドライスキン
お肌が乾燥する
お肌がかゆい
肌荒れがおこる
もともと皮脂欠乏症(乾燥から肌を守るセラミドという物質がうまく作れない)の方やアトピー性皮膚炎の方は更に悪化する傾向がありますので、しっかりとした乾燥ケアが大切です。また、主婦の方などで皮膚のバリアを失いやすい水仕事をされている方もこまめな乾燥ケアが大切です。
ひんぱんに食器洗いや洗剤を使っていない方で、お肌が乾燥するという方は、立ちくらみ・貧血・冷え性・顔色が白っぽい・生理不順、といった血虚(けっきょ)の症状もあるのではないでしょうか。
お肌の瑞々しさは血の働きが関係しています。血を補う補血(ほけつ)で対応することができます。
膣の渇き
膣が渇いている
腟周辺にヒリヒリした痛みがある
性交痛がある
トイレの際にしみる
加齢に伴いエストロゲン分泌が減少することで起こることが多いのですが、乾燥が気になる方はデリケートゾーンに使用できる保湿液などのケア製品を試してみるのも良いでしょう。
膣内は本来弱酸性で細菌に対する抵抗力があるのですが、粘膜が薄くなると傷つきやすく細菌感染を起こしやすくなるのでこまめに清潔を心がけましょう。強いかゆみが出たり、匂いがきつくなったり、おりものが増えたりした場合には婦人科の受診をおすすめします。
中医学とドライシンドローム
中医学ではドライシンドローム=陰虚(いんきょ:体内の潤いが不足している状態)です。
ドライシンドローム、つまり乾燥症状を改善する為には、身体をみずみずしく滋潤する必要がありますが、大切なことはうるおいを補給するだけではなく、身体を滋潤する働きを担っている腎、脾、肺の3つの臓のどこに原因があるかを調べ、そもそもの原因を解決していくことです。
よく「水分が足りないなら、水を飲めば治るんじゃないの?」と思われる方がおりますが、実際に「水を飲んで治りました!」という話は聞きません。
渇いた砂漠にコップの水をいくら注いでも焼け石に水ですね。
体内の水分は水(H2O)だけでないというのも一つですが、体内で水分代謝をコントロールしている腎(じん)が正常に機能していないと、水分が身体の隅々にいき届かないからです。
腎はまた、老化とも深い関わりがあり、加齢とともに働きが弱くなっていきますので、中医学ではまずこの腎(じん)の働きを正常化し、津液(しんえき:身体の水分)を増やし、体内で有効活用する、という方法を用います。
人間の身体は自らを潤す力をもっていますので、今の渇きをうるおすと同時に、その力を正常にしていきましょう。
また、薬剤などによって胃腸が弱くなっている方は特に胃腸(脾)の働きを改善していく必要があります。お一人お一人の症状や体質、生活スタイルによって合う漢方薬が違ってきますので、詳しくは仙台駅前でアクセスしやすい仙臺薬局にご相談ください。
ドライシンドローム食養生
特徴 | 食べもの | 五味・性質 |
ほてり、健忘、耳鳴り、咳痰 等 | なまこ | 甘鹹・温 |
口渇、尿出にくい、皮膚の乾燥 等 | どじょう | 甘・平 |
疲労倦怠感、虚弱、インポテンツ 等 | うなぎ | 甘・平 |
疲労感、足腰のだるさ、高血圧 等 | イカ | 甘鹹・平 |
めまい、足腰のだるさ、筋骨の衰え 等 | かに | 甘鹹・寒 |
貧血、イライラ、口渇、精神不安 等 | 牡蠣 | 甘鹹・微寒 |
視力低下、白内障、夜盲症 等 | 鶏レバー | 甘苦・微温 |
口渇、むくみ、尿出にくい 等 | しじみ | 甘鹹・寒 |
ほてり、イライラ、むくみ 等 | あさり | 甘鹹・寒 |
空咳、不眠、黄疸、むくみ 等 | あわび | 甘鹹・平 |
空咳、口渇、健忘、虚弱 等 | 白きくらげ | 甘淡・平 |
貧血、めまい、動脈硬化 等 | ほうれん草 | 甘苦・微温 |
慢性の咳、口渇、不眠、浮腫 等 | ゆり根 | 甘・平 |
空咳、胃腸障害、便秘、不眠 等 | はちみつ | 甘・平 |
口渇、むくみ、下痢、のどの痛み 等 | きゅうり | 甘・涼 |
口渇、発熱、むくみ、尿出にくい 等 | 冬瓜 | 甘・涼 |
声がれ、咳、消化不良、腹痛 等 | 大根 | 甘・涼 |
食欲不振、便秘、疲労倦怠感 等 | さつまいも | 甘・平 |
口渇、食欲不振、消化不良 等 | トマト | 甘酸・涼 |
口渇、胃・十二指腸潰瘍 等 | れんこん | 甘・微寒 |
咳、気管支炎、高血圧、動脈硬化 等 | 柿 | 甘渋・寒 |
むくみ、高血圧、尿出にくい、腎炎 等 | スイカ | 甘・寒 |
口渇、尿出にくい、ストレス 等 | みかん | 甘酸・涼 |
寝汗、口渇、便秘、生理痛 等 | 桃 | 甘酸・温 |
口渇、咳、尿出にくい、高血圧 等 | りんご | 甘酸・平 |
痰、咳、消化不良、糖尿病 等 | 柚子 | 甘酸・寒 |
むくみ、めまい、イライラ、耳鳴り 等 | 金針菜 | 甘・涼 |
夏バテ、膀胱炎、尿路結石 等 | くわい | 甘苦・微寒 |
便秘、咳、扁桃腺炎、高血圧 等 | ごぼう | 甘苦・寒 |
痰、咳、尿出にくい、消化不良 等 | サラダ菜 | 甘苦・涼 |
ドライアイ、便秘、視力低下 等 | にんじん | 甘・平 |
夏バテ、下痢、糖尿病 等 | 苦瓜 | 苦・寒 |
口渇、痰、咳、便秘、皮膚炎 等 | 白菜 | 甘・微寒 |
むくみ、おでき、便秘、消化不良 等 | 小豆 | 甘酸・平 |
食欲不振、便秘、下痢 等 | 里芋 | 甘辛・平 |
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