胃痛と漢方
胃痛は、中医学では『胃脘痛』ともいい、胃脘部(胃周辺)から心下(鳩尾)の間に時々おこる疼痛の事です。多くみられるタイプは以下の7つです。
寒邪客胃(かんじゃきゃくい)
冷たいものの飲みすぎ、食べ過ぎが原因なので、お腹を温めると楽になります。
口は渇きません。舌苔は白薄です。
飲食傷胃(いんしょくしょうい)
ゲップや嘔吐、オナラをすると痛みが楽になり、暴飲暴食が原因です。
舌苔は厚くネットリとしています。
肝気犯胃(かんきはんい)
ストレス胃、張ったような痛みがあります。部位は、肝胆の経絡が通る胸脇部に出ます。舌苔は多く白薄です。
肝胃鬱熱(かんいうつねつ)
ストレスが長引くと熱化し、鬱熱になり、肝鬱加熱が胃を攻撃します。熱なので痛みは灼熱で、口は苦く乾きます。舌紅苔黄です。
瘀血停滞(おけつていたい)
ストレスで気の巡りが悪くなり、その状態が長引くと瘀血(おけつ)になります。瘀血(おけつ)特有の刺されるような痛みが同じ部位におこります。舌質紫暗です。
胃陰虚(いいんきょ)
胃痛が長引くと熱化し、陰を傷つけますが、この時の痛みは激しくありません。陰液不足のため、口は乾き、便秘になります。舌紅苔少です。
脾胃虚寒(ひいきょかん)
胃痛が慢性化して脾胃の機能が低下し、身体を温める事が出来ず冷えを生じ、シクシクした痛みです。舌淡苔白です。
胃痛をくりかえす方の養生法
一過性の急性の胃痛の原因は、「最近、飲みすぎたからな」「上司が変わって今はストレスフルな環境だからな」と、本人も割と心当たりがあるものです。
しかし、慢性的に「胃が痛い」「また胃がキリキリする」「ちょっとマシになったと思ってたのにまたか」と胃痛をうったえる方は、胃痛の原因がわからなくなってしまった方が多いです。
そんな時は漢方薬が強い味方になってくれます。
胃痛がある方はまず以下に気を付けて過ごしてみてください。
冷えたもの・生もの・甘いものを控える
過労・寝不足を解消する
胃腸に良い食材を温かい状態で、腹七分で
おすすめの食べもの
消化を助ける酵素(でんぷん消化酵素:アミラーゼ)を含む山芋や長いも、たんぱく質の分解酵素(ジアスターゼ)を含む大根やかぶ、胃粘膜の再生を促すビタミンUを含むキャベツ、ほうれん草、アスパラガス、粘膜を保護するビタミンAを含む鶏レバー、豚レバー、うなぎ、モロヘイヤ、春菊、にんじん、同じく粘膜を保護するムチンを含む納豆、オクラ、モロヘイヤ、つるむらさき、山芋、長いも、れんこん、なめこ、胃腸の働きを助けるナイアシンを含むかつお、さば、ぶり、レバー、などの食材を積極的に活用しましょう。
いただきます、ありがとう
中医学の古典『黄帝内経~素問』には、食事がいかに重要かが記されています。
五穀為養、五果為助、五畜為益、五菜為充、です。
五穀は、ごま・小麦・うるち米・もち・大豆で、栄養をつけてくれます。
五果は、李(すもも)・杏・棗(なつめ)・桃・栗で、その助けをしてくれます。
五畜は、犬・羊・牛・鶏・猪(豚)で補益してくれます。
五菜は、韮・らっきょう・冬葵(セリ)・葱・豆の若葉で、臓腑を充実してくれます。
上記は、木火土金水の順番に記載してみました。
2000年以上も昔から、多くの種類の食物を組み合わせてバランス良く食べる事で、まんべんなく栄養を摂ることが出来、健康を養うことが出来る、と、食事をとても大切にしてきました。飽食の現代だからこそ、私たちもより一層、気を引き締めて「いただきます」「ありがとう」と言葉にしていきたいですね。
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