卵巣のう種
卵巣のう腫は、良性の卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)です。悪性の卵巣腫瘍である場合は、卵巣がんと呼ばれます。
卵巣のう腫は、子宮筋腫と同じくらいの発症頻度です。
卵巣に液体がたまった状態の卵巣のう種ですが、いくつか種類があります。
類皮のう種
毛髪や歯・骨・皮膚などが混じったドロドロのものがたまった状態。
両方の卵巣に起こることがあり、10代~20代の方が多い。漿液性のう腫
卵巣から分泌される漿液という透明のサラサラの液体がたまったもの。
年齢を問わず起こる。粘液性のう種
液体がドロドロとした粘液のもの。
閉経後の方に多く、肥大化しやすい。チョコレートのう腫
子宮内膜症が原因で起こるもの。
生理の際に経血がたまり起こるもの。30代~40代の方が多い。卵巣腫瘍はほとんどが良性といわれています。
しかし、卵巣のなかにできる腫瘍なので良性か悪性かは手術で腫瘍を摘出し、病理検査をしていないと判断できません。良性の腫瘍であっても、妊娠の妨げになることもありますので、どうして腫瘍ができるのか、どうすれば腫瘍がなくなるのか、腫瘍があっても妊娠できるのか、などを考えながら対応していくと良いと思います。
どうして腫瘍ができるの?
どうして腫瘍ができるのか・・・。
実は原因がわかっているものはチョコレートのう腫だけです。チョコレートのう腫は、子宮の内側の組織の増殖と剥離、つまり生理のメカニズムを(子宮ではなく)卵巣で繰り返してしまい、その細胞や血液が卵巣内にたまったものです。
本来、排卵された卵子は受精をしてから細胞分裂をはじめるのに、なぜか無精卵が細胞分裂をはじめてしまったものが恐らく類皮のう腫だろう、という推測はされていますが、どうして無精卵が細胞分裂をはじめてしまうのか、など、卵巣のう種の原因はまだわかっていません。
症状と主な治療方法
卵巣のう腫は初期はほとんど無症状です。
妊娠に気づいたときに発見されたり、また茎捻転(けいねんてん)が起こり発見されることが多いです。茎捻転は卵巣を支えている二本のじん帯がねじれを起こす現象です。腫瘍が大きくなり、じん帯のなかを通る静脈が圧迫されるなどして、卵巣がうっ血、炎症を起こすようになり、次第に組織が壊死し、周りの組織との癒着、破裂、出血、化膿などが起こります。
茎捻転が緩やかに進行している場合は下腹部の痛みは徐々に強くなり、進行が速い場合は突然下腹部に激痛が起こることもあります。ほとんどのケースでは茎捻転だと気づいた時すでに卵巣が壊死しているので、外科手術で卵巣卵管ごと摘出となります。茎捻転を起こしていない場合は、通常のう腫のみを摘出する外科手術が適応されます。
卵巣のう種は、初期症状がほとんどなく、こぶし大くらいの大きさになって初めて、下腹部の違和感、下腹部痛、腰痛、不正出血、頻尿、便秘、嘔吐などの症状があらわれます。
早期発見できれば、経過観察か、外科手術でも出来るだけ腫瘍のみを切除するように対応できるのでしょうが、こぶし大以上に大きくなっていると、卵巣または卵巣卵管ごと摘出しましょう、とすすめられることも多いと思います。
特に、粘液性のう種は肥大化しやすく、嚢胞が破裂し、中の粘液がおなかの中に飛び散り、その影響で腹膜炎になることもあるので注意が必要です。
妊娠中の方はもちろん、閉経前に卵巣を取る、ということはそれだけ心身に影響が及ぶので、よく考え、よく話し合って治療されると良いと思います。
卵巣のう腫は不妊につながる?妊娠はできる?
片側だけでも、卵巣卵管が残っていれば妊娠は可能です。
しかし、腫瘍が卵管に癒着している、など不妊につながることもあります。妊活中の方は、定期的に婦人科の検診やがん検診などを受けておくと安心ですね。
卵巣のう種、漢方では?
卵巣のう種は、中医学では、余分な水分が体内に蓄積された状態、と考えます。また、その発症にはストレスが関与していると思われるので、精神コントロールをする臓、肝(かん)と心(しん)の機能を高めるとともに、水分代謝をよくする、免疫力を高めていく、ことに注力します。
漢方薬は現代医学と併用できます。
双方の良いとこどりをして、早めに良い状態にもっていきたいと思っています。卵巣のう種がある程度大きくなられている場合は外科手術が必要な時もあります。漢方薬は治療のサポートになったり、再生を防いだり、と大きな助けになってくれます。
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