レム睡眠とノンレム睡眠
大人になると生活スタイルの変化などで自然に睡眠時間が減っていきます。
ある程度の過不足は問題ないのですが、寝不足の日が頻繁にあったり、睡眠時間を確保できても浅い眠りが多かったりすると、やはり心身ともにまいってしまいます。
睡眠中、わたしたちの体はしっかりと仕事をしています。
なかでも重要な仕事は修復作業です。壊れたり、古くなったりした細胞を再生したり、日中の疲労を回復したり、お肌の新陳代謝も行ったりと体全体のメンテナンスをしています。
大脳もまた新たに活動するために休息をとりながら、日中の情報を必要なものと不要なものに分けて整理したり、記憶をしたりしているのです。
眠りが浅い、睡眠不足である、と情緒が不安定になるのも大脳がしっかり休息をとれていないからです。
また、睡眠中には成長ホルモンをはじめ、様々なホルモンが分泌されています。
レム睡眠とノンレム睡眠
眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠のレムは急速眼球運動(Rapid Eye Movement:REM)の意味で、眠っていますが目がキョロキョロと動く急速眼球運動がみられる浅い眠りのことです。
レム睡眠中、体は休んでいますが、脳は必要な情報と不要な情報を分けて記憶する作業中で、夢を見るのもレム睡眠中と考えられています。
ノンレム睡眠は、レムでない睡眠という意味で深い眠りのことです。ノンレム睡眠中は体も脳もお休みしています。ノンレム睡眠は4段階に分類されていて、浅い眠りのほうが1~、となっています。
寝はじめの方がノンレム睡眠が長く、起きる時間になって短くなります。寝はじめに3時間ノンレム睡眠を取るとかなりスッキリするのは、熟睡感が得られているからなのです。
メラトニン
1985年に発見された「メラトニン」は脈拍、体温、血圧を低下させることによって睡眠と覚醒のリズムを調整する、眠りを誘うホルモンとしてよく知られています。メラトニンは太陽光を感知してからおよそ15時間経過しないと分泌されない、という性質があります。つまり、朝6時に太陽の光を浴びた場合、15時間後の夜21時頃からメラトニンが分泌されはじめ、眠くなる、という仕組みです。
メラトニンは加齢とともに分泌量が少なくなる、ということもわかっています。70歳以上になると昼と夜のメラトニン量が同じくらいになるということです。また加齢に伴い、レム睡眠の割合が増加し、ノンレム睡眠の時間帯が短くなります。
加齢に伴い、眠りが浅くなる、すぐに目が覚める、という現象が起こるのはこのためと考えられています。
コルチゾール
コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれていて、日中のストレスに対応するために起床時間に近づくにつれ分泌量が多くなるホルモンです。脂肪を燃やして眠っている間のエネルギー供給をしています。睡眠不足が続くと太りやすくなる、というのもコルチゾールが関係しています。また、コルチゾールは起床後にすぐに活動できるように肝臓のグリコーゲンを分解、ブドウ糖にして血糖値をあげるという働きも担っています。
成長ホルモン
成長ホルモンはその名のとおり、身体の成長をはじめ、壊れたり古くなったりした細胞を再生したり、日中の疲労を回復したり、お肌の新陳代謝も行ったりする役割を担っています。睡眠初期のノンレム睡眠時に最大の分泌量を示し、昼間はほとんどといっていいほど分泌されません。睡眠不足の子どもは体が小さい(背が低い)、寝る子は育つ、といいますが、日中は骨の成長が抑制されているので正にそのとおりです。ノンレム睡眠がしっかり取れるよう、睡眠環境を整え睡眠時間を確保してあげましょう。
また、大人にとっても成長ホルモンは重要です。
疲労回復や細胞の新陳代謝といった重要な役割は、病気予防だけでなく、抜け毛、美容にも関係してきます。ただでさえ加齢とともに現象傾向にある成長ホルモン。一般的に22:00~翌2:00までの間がピークといわれています。しっかりと分泌させて元気と若さを保っていきたいですね。★こちらの記事もおすすめ★
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